定款変更の効力発生日の定め
株券を発行する旨の定款の定めを廃止する定款変更を行う場合、定款変更の効力が生じる日を定めなければならないとのことですが(会社法218条1項2号)、この効力発生日を定めるにあたって考慮しなければならない事項はありますか?
- 定款変更の効力は、原則として、株主総会で議案が承認されることにより直ちに生じるとされています。
- したがって、定款変更の効力発生日を別途定めない場合には、株主総会において定款変更決議が可決された日に株券を発行する旨の定款の定めは廃止され、株券が無効となってしまいます。
- しかしながら、会社法は、株券の流通に支障を来さないようにするため、株券を不発行とするための具体的手続のとおり、定款変更の効力発生日の2週間前までに、公告及び株主等に対する各別の通知を行わなければならないと規定しています。
- また、会社法は、定款変更の登記手続は、定款変更の効力発生日から2週間以内に行わなければならないと規定しています。
- したがって、定款変更の効力発生日を別途定めず、株主総会決議がされた日に定款変更の効力が生じるとしてしまうと、当該株主総会の日の2週間前までに公告及び株主等に対する各別の通知を行い、かつ、当該株主総会の日の2週間後までに定款変更の登記手続を行わなければならなくなってしまいます。
- そのため、上記の各手続を行う時間的余裕を確保するため、定款変更の効力発生日は、株主総会の日からある程度期間を置いた日にしておくことが望ましいと考えます。
- また、定款変更の登記手続をスムーズに行うため、事前に司法書士に対して、定款変更の登記が必要になる旨相談しておく必要があります。